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ロゼッタストーンとは?ヒエログリフ解読の鍵となった理由と歴史を徹底解説

一言で言えば、ロゼッタストーンは「古代エジプト語を読むための鍵になった石」です。
石そのものが魔法のように解読してくれたわけではありませんが、同じ文章が

  • ヒエログリフ
  • デモティック
  • ギリシア語

で並んでいたため、読めるギリシア語を手がかりに、読めなかったエジプト文字を比較できるようになりました。

いつ作られたものなのか

ロゼッタストーンに刻まれているのは、紀元前196年の布告文です。
内容は、プトレマイオス5世の即位記念に関する神官団の布告で、宗教的・政治的な称賛や特典の確認が書かれています。つまり、哲学書や神秘的な預言ではなく、王を称える公的な文書です。

何が書かれているのか

意外に思われるかもしれませんが、ロゼッタストーンの内容は「古代の知恵の格言集」ではありません。
基本的には、王プトレマイオス5世の恩恵や支配の正当性をたたえ、その布告を神殿に設置することを命じる政治・宗教文書です。重要なのは内容そのもの以上に、同じ文が複数の文字体系で書かれていたことでした。

3つの文字は何か

ロゼッタストーンには、2つの言語・3つの文字体系が使われています。

上段はヒエログリフで、神殿や記念碑に使われた格式高い文字です。
中段はデモティックで、日常行政や実務に使われたエジプト語の筆記体系です。
下段はギリシア語で、当時の支配層や行政で重要だった言語です。

この並びのおかげで、研究者は「この部分のギリシア語は王名を指すはずだ」といった比較ができるようになりました。

なぜギリシア語が入っているのか

当時のエジプトは、アレクサンドロス大王の死後に成立したプトレマイオス朝の支配下にありました。支配層にはギリシア系の要素が強く、行政や公的な場面でギリシア語が重要でした。
一方で、エジプトの宗教や神殿制度は在来の伝統を維持していたため、エジプト系の文字も必要でした。ロゼッタストーンは、そうした多言語・多文化の時代背景を反映した文書でもあります。

どこで見つかったのか

ロゼッタストーンは1799年、ナポレオンのエジプト遠征中に、ラシード(欧州での呼称はロゼッタ)近くで発見されました。発見者としては、フランス軍将校のピエール=フランソワ・ブシャールの名が一般に挙げられます。

「ロゼッタストーン」という名前も、この発見地の欧州名「Rosetta」に由来しています。

どうしてそんなに重要なのか

ロゼッタストーン以前、ヒエログリフは長いあいだ正確に読めなくなっていました。古代エジプトの宗教、王朝史、墓の銘文、神殿の記録などは目の前に大量に残っているのに、肝心の文字が読めないという状態だったのです。
ロゼッタストーンが現れたことで、研究者たちは既知のギリシア語を足場に、未知のエジプト文字を体系的に比較できるようになりました。その結果、古代エジプト文明の歴史・宗教・政治・思想を、文献から直接読み解けるようになったのです。

誰が解読したのか

解読の中心人物として最も有名なのは、フランスの学者ジャン=フランソワ・シャンポリオンです。
彼は1822年に、ヒエログリフが単なる象徴記号ではなく、音を表す要素・音節的要素・意味を補う決定詞などを組み合わせた複雑な文字体系であることを明確に示しました。これが突破口となり、ヒエログリフ解読は一気に前進しました。

つまり、ロゼッタストーンは鍵であり、その鍵を本格的に使って扉を開いたのがシャンポリオンだと言えます。

ロゼッタストーンだけで全部解けたのか

ここは誤解されやすい点です。
ロゼッタストーンは非常に重要でしたが、それだけでヒエログリフのすべてがただちに読めるようになったわけではありません。実際には、他の碑文や言語知識、比較研究、長年の試行錯誤が必要でした。
ただ、ロゼッタストーンがなければ突破ははるかに難しかったと考えられています。

石そのものはどんなものか

ロゼッタストーンは、古代エジプトの石碑の一部です。完全な形ではなく、古代のうちに破損して上部などが失われた状態で見つかりました。ブリタニカでは不規則な形の黒っぽい石として説明され、長さ約114センチ、幅約72センチとされています。

今どこにあるのか

ロゼッタストーンは、ナポレオン軍の敗北後、1801年のアレクサンドリア条約の結果としてイギリス側に渡り、1802年以降は大英博物館で展示されています。第一次世界大戦中に一時避難した時期を除き、長く同館の代表的展示物となっています。

なぜ「ロゼッタストーン」という言葉が比喩で使われるのか

現代では「○○のロゼッタストーン」という言い方がよくあります。
これは、難解だったものを理解する決定的手がかりという意味です。たとえば未知の言語、複雑なデータ、ある分野の基本鍵、という比喩で使われます。
その背景には、ロゼッタストーンが古代エジプト解読の突破口になったという歴史があります。

ロゼッタストーンの歴史的意義

ロゼッタストーンの意義は、単に有名な石ということではありません。

第一に、ヒエログリフ解読の決定的手がかりになったことです。
第二に、それによって古代エジプト史を一次資料から読めるようにしたことです。
第三に、言語学・考古学・歴史学が連携して成果を生んだ、学問史上の象徴的事例でもあることです。
第四に、1つの遺物が文明理解全体を変えることを示した、文化遺産の代表例であることです。

まとめ

ロゼッタストーンとは、紀元前196年の布告文をヒエログリフ・デモティック・ギリシア語で刻んだ石碑で、1799年にロゼッタ近郊で発見されました。
その最大の価値は、同じ内容が複数の文字体系で書かれていたことで、これがヒエログリフ解読の突破口になり、シャンポリオンらによって古代エジプト文字理解が大きく進んだ点にあります。

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